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指導

サイバースペースで活躍するために日本人に求められていること
スティーブ・マッカーティ 

Source:
スティーブ・マッカーティ 2001, 第1節:サイバースペースで活躍するために日本人に求められていること, 10章: 国際社会への扉:上級英語とネット上の遠隔教育, In 杉田米行 (大坂外大) , 人文社会科学とコンピュータ:情報化社会におけるインターネット活用法、横浜:成文社 (20015)ISBN 4-915730-30-1

第1節:サイバースペースで活躍するために日本人に求められていること

 第1項:国際社会に参加する目的と意志決定
 第2項:英語のリテラシーの再評価
 第3項:インタネットのリテラシー
 第4項:ネット上の上級レベルの英語力アップに関するおすすめサイト

  A.楽しみながら、英語のレベルアップ

   1.国内外のニュース・時事英語
   2.第二言語としての英語を自分で学習できるサイト
   3.英語によるネット上の交流

  B.自分の分野を英語で学習できる:人文社会科学の研究と連携
  C.ネット上で参加できる組織

はじめに

日本人に求められていることは、国際社会に参加する目的と意志決定である。英語とインターネットの二つのリテラシー、そしてお勧めしたネット上のリンク集での体験を通じて、目的を達成するための方法を示す。ネット上(オンライン)で、国内外のあらゆる分野での遠隔教育の実践的利用法が見つけられるので、サイバー社会で読者自身の教育的目的が達成できる。

インターネットは人類にもう一つの新しい世界をもたらした。この世界は、測り知れない拡大の可能性を秘めている。サイバースペースに国境はなく、個人の望みと努力によって、その世界を限りなく拡大することができる。そしてそれを拡大することにより、新たなビジネスチャンスや深い知識を得ることができ、深いレベルでの国際交流も可能となる。

私は、そのサイバー社会のなかで様々な活動をしている日本在住のアメリカ人である。私にとってもインターネットは生活と意識の変革をもたらした。長年、距離が隔てていた社会との壁が崩れ落ち、世界とつながったという感じである。一度そのつながりをつくってしまえば、意識は拡大し、それに追随してネットワークも拡大していく。大切なのはこの世界につながっていくか、それをやめるかということである。しかし、21世紀を生きていく皆さんにとっては、嫌でも避けては通れない時期がやってくる。それならば早く決断をし、この世界のパイオニアを目指すのも悪くはない選択ではないだろうか?

国際サイバースペース社会への参加は、21世紀への希望であり意識の拡大である。同時に、国境や民族や性を超えた共生への可能性を秘めている。それは本当にお互いを知り、理解しあうしかないのである。そのためには、良識をもつ、より多くの人々の参加が不可欠である。既存の概念や習慣、情報だけで物事を判断するのではなく、自分自身で関わって、感じて考えて、もう一つの社会とつながっていっていただければ幸いである。

以下に、教育的機会を提供するサイバー社会の一部分を紹介し、皆さんがこの世界で活躍するために何が必要かを示していきたいと思う。

第1節:サイバースペースで活躍するために日本人に求められていること

サイバースペースで活躍するためには、乗り越えるべき課題がいくつかある。その世界を垣間見るという低いレベルから、実際に活躍するという高いレベルまで、段階は様々だが、高いレベルに到達するためにもっとも必要とされていることを二つあげたいと思う。一つ目は、国際社会のなかで自分が何を伝えていきたいか、そして何を吸収したいのかという目的意識をしっかりと持つことである。二つめは、目標を達成するための技術である、英語のリテラシーとインターネットのリテラシーの向上。これらについて以下に述べることとする。

第1項:国際社会に参加する目的と意思決定

日本人に今もっとも求められていることは、国際社会に参加することである。これは日本人に限ったことではないともいえる。外側から見れば、ひとつの地球共同体という一つの世界につながっていくということは、あらゆる人々に求められている。しかし、世界が国際化するなかで、先進国でも重要な役割をになっている経済大国日本の姿が明確に見えてこない。それは、日本人自身から発信されるメッセージが非常に少ないからである。サイバー社会のなかでも、積極的に参加している日本人は極めて少ない。ある程度の情報は受け取られていると思うが、それが返ってこないのである。コミュニケーションとは、双方向性があり、一方通行では成り立たない。ぜひとも皆さん人個人が情報の発信源になってもらいたい。

ここで、情報発信源になる。つまりサイバー社会に積極的に参加していく上で大切なことがある。それは伝えたいこと、表現したいことを明確にすること。そしてしっかりとした目的を持つことである。強い意思と目的を持って情報を発信していけば、それは何らかの形で人に影響を及ぼす。影響を受けた側は強い興味をそそられ、返事や質問が返ってくる。そして双方向のコミュニケーションが展開されていく。

現在の日本の教育制度にも問題があると思うが、日本の皆さんは、情報を受け取り、それを自分の中に蓄積していく学習方法には慣れている。しかし、その蓄積したものをうまく生かしていない。表現ができていないのである。日本人自身で自分たちのことを表現しないので、その実態がつかめず、海外の人々は、メディアや在日外国人などのフィルターを通して日本の情報を受け取ることになる。そういったフィルターを通すと、偏見が生まれる。人は、未知のものに対して好感よりも恐怖を抱きがちである。

しかし今、インターネットを通して個人のレベルで国際社会につながっていける機会が提供されているのである。それを利用しないのはあまりにももったいないことである。サイバー社会に参加している人々は、すべてが英語を母国語とする人々ではない。だから第二言語としての英語の使用者の英語の正しさがあまり問われていない。相手には、メッセージの意味が通じればよいのである。参加することに最大の意味がある。あなたがこの世界に参加することを決意し、目的を持って入ってみるとする。しかし、情報の海の中でどの方向に進んでよいか迷ってしまうことがあるだろう。そんな方々のために、この章の後半に、私が知っているおすすめサイトを掲載しておいたので、興味のあるところから訪問されてみてはいかがだろうか?興味のあるサイトを訪問し、同じ興味をもつ人々と関わっていくことにより、多様な見方や考え方に触れることができる。そのつながりを大切にし拡大していけば、国境を超えたビジネス、NPO、NGOなどの活動も可能である。

共に何かをしていける仲間を見つけることで、自分も活発に活動するやる気にもつながり、メッセージを伝える必要性も出てくる。そして一つのネットワークでの活動が確立されていくと、別のネットワークとのつながりもできてくる。もうそこまでくれば、あなたはサイバー社会で活発に活動する人となっているはずである。

しかし、この世界では自由であることとひきかえに、個人の自立心がとても重要である。そして粘り強くつづけていく根気も必要となるので、国内、海外を問わず、いっしょにやっていける仲間作りがなお望ましい。

第2項:英語のリテラシーの再評価

IT革命のおかげで、世界中の、 比較的教育水準の高い人々がサイバー社会で活発に交流できるようになった。本来の政府間交渉よりも、ネティズン同士の国際交流のほうが驚異的に多くなっている。

今まで国際社会の中で無口な日本人にとっては、これは新たなチャンスである。あなたが少しシャイであっても、実際に人と会って英会話をする代わりに、コンピュータという媒介がクッションの役割を果たしてくれる。

実際に聞いたり話したりするのではなく、読み書きのレベルで十分な交流が可能である。しかし、その読み書きを孤独に勉強するのではなく、実際に使われている生きた英語の読み書きなので、会話にもつなげていきやすい。読み書きの交流に自信がもてるようになったら、インターネット電話やネットミーティングを使って会話を楽しむ方法もある。この分野はこれからますます進歩し多様化してくると思われるのでだんだん使いやすくなるだろう。

ここでは、世界共通の低コストの電子メールやウェッブ(WWW)上のリソースを取り上げ、ML(メーリングリスト)やウェブサイトを数多く紹介する。溢れるリソースの中から、ネット上で仲間に入りやすく、人と出会いやすいサイバー組織につながるウェブサイトを選択してあるので、その中からあなたが自分の興味のある分野や英語のレベルによって選べる。

それぞれ紹介したリソースの名称(英語および日本語)とブラウザやメールのためのアドレス(URL)の上に簡単な説明を付け加えてあるので参考にされるとよい。その中に、英語それ自体を目的とする、外国語としての英語学習のリソースも紹介してある。しかし、大切なのは、自然な形で人と交流しやすく、自分自身が楽しめる場を選ぶことが望ましい。

その他、ここで紹介してあるものは、無料あるいは低コストで、アカデミックな水準を守る組織などである。誰でも参加でき、コストがかからないので、参加してみる価値はある。

第3項:インターネットのリテラシー

IT革命は、個人の考え方や生きがいの革命でもある。多くの人々がサイバー社会のネティズン(市民)になることが望ましい。現代は、学校を卒業しても生涯教育が必要となった時代であり、教育者の側も新しいIT技術の知識を必要とする。小学校にもパソコンが導入されているので、これから教育を受け社会に出ていく学生たちにとって、この新しい知識が不可欠である。

ここ数年のうちに日本でも爆発的な情報革命が起こると考えられるので、インターネットのリテラシーを向上させることは、英語を習得することと同様に目標を達成するための力強い道具となる。

インターネットは双方向性であるので、自分が行く側と相手に来てもらう側についてえてみよう。

まず、自分が行く場合。これは実際にあるウェッブページを検索したり、メーリングリストに入ったりという、情報を受け取る活動である。後半に紹介してあるウェッブサイトは比較的インテラクティブであり、自分の分野や興味のあるトピックにおける出会いの場となる。

現在でも多くの方々がML(メーリングリスト)を利用されていると思うが、その多くは、各自のホームページをもったり、ウェッブ上でアーカイブしているので、その情報を見ながら自分に適当なものを選んでみるとよい。MLは、ネット上で存在感があるように感覚される(Net presence)を作るのにも有効である。同じ分野の日本語、英語両方のMLに入り、日本語MLのほうで仲間作りをし、英語MLの方でも一緒にやっていくことができれば英語MLとのつながりも作っていける。MLには、規則的にポストすることで、ネット上の存在感が高まるので、自分にとって面白い内容などがあれば、積極的にポストしてみるとよい。

では次に、来てもらう場合。これは行く側より少し難しいかもしれないが、粘り強くチャレンジして頂きたい。

人に訪問してもらうためには、自分から情報発信しなければならない。これには21世紀の名刺ともいえるホームページの作成が効果的である。最近では比較的簡単に作成できるソフトも発売されているので手がけやすい。これに少しの HTML(コンピュータ言語)の知識があれば、なお良い。

作成したホームページに、自分の電子メールへのリンクを作ると、あなたのホームページに興味を持った人々からメッセージが送られてくる。あなたが英語のホームページを作れば、もちろん返ってくるメッセージもほとんどが英語だろう。あなたはそれに答えていく必要性に迫られる。その必要性は、あなたの技術の進歩を促進する。

第4項:ネット上の上級レベルの英語力アップに関するおすすめサイト
(Recommended Internet Sites for Improving Advanced Level English)

A.楽しみながら、英語のレベルアップ (Improving English with Enjoyment)

1.国内外のニュース・時事英語 (News - Abroad/Domestic)

BBC News - World
英国の放送協会の世界のニュースをはじめ、世界の各地、ニュースの種類やオーディオ・ビデオが選べる

News on Japan
日本に関するニュースはが色々なオンラインニュースのウエッブサイトから毎日選択されたリンク集となるので、お馴染みなニュースを英語で読む、あるいは、この便利なサイトを外国人の知りあいにすすめればよい。

2.第二言語としての英語を自分で学習する (ESL Self-Study)

Learning English - BBC World Service
英国の放送協会の第二言語学習者のためのサイト
Network (電子雑誌、難しい単語の定義、Real Player によるオーディオなど)
Email discussion group (英語学習者のためのML)

English as a Second Language
ウェッブ上で英語を学習するためのポータル(色々な英語のレベルと機能)

Dave's ESL Cafe
カリフォルニア州立大学の先生の総合的な第二言語としての英語のサイト 

The ESL Study Hall
ジョージ・ワーシントン大学の第二言語としての英語の学習者のためのリンク集(ネット上の「会話」、ディスカッションも含む)

Links of Interest to Students & Teachers of English as a Second Language
愛知工大の第二言語学習者・教師のためのリンク集(英語)

3.英語によるネット上の交流 (Meeting Others Online in English)

ePALS Classroom Exchange
カナダからの人数的に世界最大のキーパル(キーボードによるペンパル)を見つけるサイ
ト(個人でもクラス単位でもよい)

Intercultural E-Mail Classroom Connections
セイント・オラフ大学のテーマ別MLなどによる教師同士での国際的キーパルの紹介

World Without Borders
米国の綺麗なウェッブチャット環境の分野別コミュニティーとインタビューのようなイベ
ント(フリートーキングはThe Rainforest というチャットルームで)

Talk City Online Communities
米国の無料のウェッブサイト、メール、チャットによる話題別のサークルとイベント

B.自分の分野を英語で学習する:人文社会科学の研究と連携
(Studying One's Field in English: Humanities and Social Sciences Research and Collaboration)

Google Search Engine
最大のウェッブサイトのデータベースを検索することができ、Advanced Search, Preferences をまず選択したら、日本語ででも検索できる。
Google Web Directory
大きな分野別リンク集
遠隔教育の分野
社会の分野(言語、政治、経済、歴史、哲学などを含む)

All Academic: An academic search engine and index
米国オレゴン大学のアカデミックなジャーナル・論文集も含むリンク集とMLA、APA、Chicago Style の選択できる結果の検索機能

Social Science Information Gateway
英国の社会科学に関するアカデミックな分野別ディレクトリや検索機能

Voice of the Shuttle: Web Page for Humanities Research
米国カリフォルニア大学の分野別人文学リンク集

Keiko Schneider's Bookmarks
米国滞在のシュナイダー恵子氏の集めた日本語・日本についての大きなリンク集。例えば、海外の人が日本語によるコンピューティングについて尋ねられたら、このサイトをすすめればよい。

C.ネット上で参加できる組織 (Organizations to Participate in Online)

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 日本語 | 英語
Global Communications Platform (GLOCOM Platform). 今の日本に関するニュースやエッセイを提供する上に、日本のオピニオン・リーダーが、政治・経済・情報社会のテーマをオンライン上で英語のディベート行い、一般の人がコンピュータででも参加できる。

JALT Bilingualism SIG Home Page (英和のサイト)
全国語学教育学会バイリンガリズム研究部会のホームページ
『多言語多文化研究』ジャーナルの概要(英和)
「バイリンガリズムの理論と日本」((日本語、S. McCarty の書いた論文)

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